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心理カウンセリングと人生相談

例えば「アンタみたいな人生経験もなにもない人間のカウンセリングなんて受けたくはない!」と、私が言われたとします。実際に言われたことがあるかどうかは別として。

「心理カウンセリングも人生相談のうち」ということもできるかもしれませんが、少なくとも私の考える心理カウンセリングはそのようなものではありません。実際、私は自分が人生相談をしていると思ったことは、これまで一度もありません。

私にとって一番大切なのは、クライエント様がご自身のお悩みを解決されて幸せな毎日を過ごせていただけるようになることです。そのために私はクライエント様と共に本気でそのお悩みを解決するにはどうするべきかを考え、話し合っていくのです。

所詮、私にできることと言ったら、相談援助でしかありません。しかし私は会話の力を信じます。その相談援助に自分の人生経験がどうであるかなどといったものは、それほど重要ではないと考えます。クライエント様のお悩みを深く観察させていただくことによって、そのお悩みがどんなお悩みであるのかを本当の意味で理解し、そのお悩みの根っこを特定し、状況を改善させるためにはどのようにすれば良いかを把握するのです。そんなアプローチでお悩みの解決を目指していくカウンセリングスタイルを私はとります。これらのことはある種、心理カウンセリングに関する専門的な知識や技術的なものです。その過程に必要な人生経験を挙げるとすれば、臨床経験といったところになるのでしょうか。

心理カウンセラーは心理的な面での相談援助を行うものであり、感情を扱うことについての専門家であるべきだと私は教えられてきましたし、私自身もそうあるべきだと思っております。

 

つまり、人生においてできる限りたくさんの苦難を経験している人なら、今苦難に直面している自分に対して的確なアドバイスをしてくれるだろうという期待を人生相談に対して求めているということなのだと思います。これは心理カウンセラーに求めるべきものではありません。

そのあたりの違いについて理解をしていただくことも大切なように感じるのです。心理カウンセリングに対するイメージは人それぞれあり、そのイメージの中には実際のものとはかけ離れたものも少なからず存在すると思うからです。