まず最初にお伝えしておきたいことがあります。私はメールカウンセリングがクライエント様の抱えるお悩みによっては不向きな場合があり、そのような場合にはメールカウンセリングを行うべきではないとの考えを持っております。つまりメールカウンセリングでは扱うことのできないお悩みもあるということです。これはあくまで私の個人的な意見です。今回の記事ではそのことを前提としてお話させていただきます。
メールカウンセリングには文章によるやりとりであるがゆえの不便さや誤解などのリスクが存在するのは確かですが、それでもクライエント様とカウンセラーがメールのやりとりを重ねることで、クライエント様の抱えるお悩み解決への糸口を両者による共同作業によって導き出すことが可能である場合もあると考えております。ちなみに、そのお悩み解決への糸口とは具体的に、クライエント様が不適切な思考や行動を選択することをやめて適切な思考や行動を選択できるようにするための工夫や、心理療法の理論についての学習やその実践、あるいは環境調整などです。
メールカウンセリングはクライエント様とカウンセラーが1対1で行うものです。よって、メールカウンセリングで行われたメールのやりとりは結果としてクライエント様の抱えるお悩み解決への糸口がピンポイントで載っている「自分のためだけのセルフヘルプ本」となるのです。これはメールカウンセリングの利点だと思います。
もしそのお悩み解決への糸口が実際にお悩みの解決につながったのだとしたら、その後の人生において同じようなお悩みで苦しむことはなくなるでしょう。なぜならその「自分のためだけのセルフヘルプ本」にはそのお悩みの解決方法が明記されているのであり、困ったときにはその方法を再度実践するだけで良いのですから。
さらに、その方法を日常生活の中で実践することによって既に習得できているのであれば、もはや同じようなお悩みを抱えることはなくなっているはずです。
結局のところ、メールカウンセリングの適切な活用方法とは、メンタルヘルスのために「自分のためだけのセルフヘルプ本」を手にして、それを日常生活の中で実践していくことなのだと思います。
次にこれを踏まえた上で、より効果的なメールカウンセリングの活用方法についてお伝えしたいと思います。
私はメールカウンセリングをより効果的なものとするために、オンラインカウンセリングあるいは対面形式のカウンセリングを併用することを提案します。メールカウンセリングを行うことによって手にした「自分のためだけのセルフヘルプ本」を活用してオンラインなり対面形式のカウンセリングを行うのです。
「自分のためだけのセルフヘルプ本」で得たお悩み解決方法を日常生活の中で実践してみることによって、何らかの問題や疑問が生じることはよくあることです。これらの問題や疑問をメールカウンセリングで扱うことも可能ではありますが、クライエント様がそれらの事柄をカウンセラーに正確に理解してもらうことはかなり難しいことかもしれません。なぜなら、それらの事柄を正確に伝えるために、その状況の詳細を文章によって的確に表現しなければならないからです。
同じように、カウンセラーもクライエント様にその事柄について返答する際は、より正確な(場合によっては難解な)説明が必要とされることが多く、やはり困難をともないます。それに加え、時間(メールのやりとりの回数)がかかってしまうことも多いです。そしてお互いにより正確な説明を文章で表現する必要があるため、誤解のリスクも高まります。ここがまさにメールカウンセリングの弱点であるわけですが、その弱点を補うためにオンラインなり対面形式のカウンセリングを併用するのです。
このような方法を採用することによって、メールカウンセリングはそのカウンセリング全体を通じて確実に効果的な役割を果たすことができます。メールによるカウンセリング、オンラインによるカウンセリング、対面形式によるカウンセリング、それぞれ単体で行うべきものと考えてしまえば、それぞれの弱点や効果の比較などに目を向けなくてはならなくなります。それぞれのカウンセリングスタイルの長所を生かし、併用するという考えを持てば、メールカウンセリングの弱点をそれほど懸念する必要もなくなり、むしろメールカウンセリングの存在意義をはっきりと認識することができるようになると思うのです。
※諸事情により、当カウンセリングサービスは現在メールカウンセリングは行っておりません
コメントをお書きください