カウンセリングにおける意義あるメールと電話の活用法

 当カウンセリングサービスでは、埼玉県周辺地域以外にお住まいの方や、何らかの理由により対面形式で行うカウンセリングをお受けになることが困難な方に対してどのような援助ができるのかについて検討してまいりました。現在はコミュニケーションのツールが複数選択可能な世の中となっておりますが、そのような時代であっても私としましては、やはり対面形式によるカウンセリングがカウンセリングの効果を考えた場合に一番強力なスタイルであると確信しております。しかしながら、ビデオ通話やSNS等がこれだけ普及している中で、カウンセリングを行う上で有益なものとなり得るものは積極的に活用したいとの考えも当然あるわけです。もしかすると、この先ビデオ通話を活用したカウンセリングスタイルが世の中の主流になっていることだって考えられなくもないのです。

 このような経緯があり、この度当カウンセリングサービスでは新たに電話カウンセリングを開始するとともに、条件付きではありますがメールカウンセリングを再度開始させていただくことになりました。今回は電話やメールを活用したカウンセリングのメリットやデメリットについて、私の思うところをお話ししたいと思います。

 

 まずはメールカウンセリングについて。一番手軽にカウンセリングを受けられるというイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか?しかしカウンセラーの立場からすると、メールカウンセリングはそう簡単に導入しようとは思えないものだったりします。そこには主に二つの理由が挙げられます。(詳細はこちらのブログ記事をご覧ください)

 まず先述のとおり、カウンセリングの効果。これはどうしても弱いと言わざるを得ません。そして次に、クライエント様の安全について。同じ空間で会話をしていないだけでなく、メールを書く側とメールを読む側との時間が一致することもないわけです。もしかするとメールをクライエント様は電車の中で読むのかもしれませんし、あるいは自宅でお酒を飲みながら読むのかもしれません。そしてカウンセラーはそのときに、もしかしたら寝ているのかもしれないのです。

 クライエント様が抱えるお悩みについては同じ空間で同じ時間に話し合うべきです。クライエント様がこちらから送ったメールを読むときに、クライエント様の心の状態がどのようなものであるかをこちらがわからないというのは、カウンセラーの立場からするとかなり怖いものです。例えばクライエント様が心の状態が不安定なときにメールを読んで、症状を悪化させてしまうことだって考えられるわけです。メールカウンセリングでクライエント様の安全を確実なものとすることは至難の業なのです。

 しかし現在当カウンセリングサービスでは過去の経験を踏まえた上で、クライエント様とのメールのやりとりを出張カウンセリングのインターバル(次回カウンセリングまでの間)におけるコミュニケーション手段として活用しております。これについては今のところしっかりと機能しております。ここではセッションで扱うべき内容は扱わないようにして、主に前回セッションで話し合った内容の疑問点や確認などを扱う場として活用しております。

 このようにメールの活用についてはその使い方によっては、有益なかたちでカウンセリングに取り入れることができます。現在の活用法以外で考えられるものとしては、心理教育(読書療法など)のようなものが挙げられます。つまりクライエント様の症状や、目指す目標によってはカウンセリングにおけるメールの活用は十分に導入可能であると考えられるのです。ただしこれを活用する際にはカウンセラー側が細心の注意を払って、慎重にこれが導入可能か否かを判断する必要があります。実際のところ条件つきでメールカウンセリングの導入をする際には、その条件は相当厳しいものとなります。しかし、これまでのケースにおいてメールカウンセリングが適用できたと思われるケースもいくつかあったのは確かです。

 

 次に電話によるカウンセリングについて。カウンセリングの効果という面では、電話によるカウンセリングを対面形式のカウンセリングと比較した場合、やはりデメリットしか思い浮かばないというが正直なところです。

 私がまず考えるのは、同じ空間を共有できないという点。結局はこの点に尽きるのではないでしょうか。同じ空間を共有できないと、当然のことながらお互いの表情を見ることができません。会話をする際にこれはかなり重要な要素となります。特に会話の「間」において、それを強く感じることになるのではないでしょうか。他にもカウンセラーがクライエント様にちょっとした資料や日々活用するためのシートなどを直接手渡しすることもできませんし、お話した内容を二人で共有するためにノートなどに書き出して理解を深めるといったこともできなくなります。

 このような不便さが電話によるカウンセリングには存在します。しかし、メールによるカウンセリングと比較した場合に、少なくとも同じ時間でお悩みに関する話し合いができるという点においては、カウンセリングの効果は高いと考えられます。電話によるカウンセリングでは、主にカウンセリング効果の弱さというよりも、カウンセリングの不便さがあると言えるのではないでしょうか。

 

 ここまで対面形式によるカウンセリングと比較するかたちで、メールによるカウンセリングと電話によるカウンセリングについてのデメリットをお伝えしてきましたが、デメリットがあれば当然メリットも存在するものです。例えばメールカウンセリングのメリットとしては、対面形式のカウンセリングでは緊張して自分の思いを上手く伝えることができず無口になりがちな方、あるいは口で伝えるよりも文章で伝えるほうが自分の思いを整理してしっかりと伝えることができる方などにとってはメリットとなるでしょう。

 また、電話によるカウンセリングにしてもご自身が受けたいと思うカウンセリングルーム、あるいはカウンセラーが遠方である場合にはメリットとなり得ます。あるいは「面と向かって会話することは苦痛だけど、電話なら普通に話せる」という方にとってもメリットとなるでしょう。

 

 カウンセリング効果の点で対面形式のカウンセリングと比較すれば、他のカウンセリングスタイルは全て見劣りしてしまうものです。それはまず受け入れるとしましょう。その上で大切になってくるのが、その活用法だと思うのです。工夫を凝らすことによってそこに存在するメリットを最大限に引き出すことができれば、クライエント様により多くのものを提供できるのではないかと、私は思うのです。

 

 

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