怠け癖による先延ばし癖を直す工夫

 怠惰(怠け癖)による先延ばし癖を克服することは簡単なものではありません。その理由のひとつとして、先延ばし癖の克服へ向けての取り組みそのものを怠け癖が阻害しがちであるということが挙げられます。「克服したい」と願っていてもいざ克服へ向けての取り組みを行おうとすると、瞬間的にどこからか怠け癖がやってきて、その取り組みを邪魔してしまうのです。

 

 単純な話、怠け癖のある人が怠け癖が原因となる先延ばし癖を克服しようとするなら、怠け癖を改善させるほかに方法はありません。実際カウンセリングにおいてもこれこそが最大の関心事となります。もちろんこれは不可能なことではないです。ただしこれを可能とするためには、ご自身の先延ばし癖克服に対する強い決意があることが前提となります。やはりご自身のモチベーションは必要不可欠なのです。この怠惰な振る舞いは衝動的に起こってしまうものですからね。

 

 とは言えやはり、そのモチベーションを持てずにいる方もおられます。そのような方に対しては、怠け癖が原因となる先延ばし癖を克服するための過程において、その取り組みに対してモチベーションをキープできるような工夫を凝らした方策を考える必要があります。怠け癖が原因となる先延ばし癖の克服は一定の時間を要するものです。「先延ばしをしない」という今までとは違う行動を習慣化する必要があるからです。ゆえにその取り組みにおいては、モチベーションのキープがとても重要になってくるのです。今までと違うことをするってエネルギーを使うものですからね。

 

 では、先延ばし癖克服へ向けての取り組みの過程でモチベーションをキープさせるにはどうしたら良いのでしょう?これについて考えるということが、取り組みの「工夫」について考えるということです。

 

 例えばご自身の進化(怠け癖や先延ばし癖改善の度合い、あるいは変化)を実感し続けられるような工夫や、取り組みやすい環境を整えるという工夫なども考えられます。取り組みの工夫はご自身に合ったやり方を模索して見つけていく必要があります。「取り組みやすい状態」を作ることがまず重要で、さらに「前進している」と実感し続けられるようにすることがポイントになると思います。

 

 大切なのは、「今までと違うことをやることに慣れること」です。それが先延ばし癖の克服へつながります。なのでまずは、取り組みやすい方策が見つかったら躊躇なくなんでも実践していくべきです。取り組みやすくするための工夫を見つけて、それを実践してみることが「今までと違うことをやることに慣れる」ための第一歩になるのです。

 

 また、「今までと違うことをすれば、今までと違うことが起こる」ということも覚えておいてください。逆説的には、「今までと同じことをすれば、この先も今までと同じで違うことは起こらない」ということです。今までと違うことをしてみて、どんな違うことが起こるのかを一度体験してみることができるといいですね。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    黒瀬相子 (日曜日, 17 9月 2023 08:51)

    はじめまして。
    大学1年生の娘が先送りで困っています。
    美術系の大学なのですが、前期終了前7月に課題が9つくらいたまってしまい、2つは期限を間違えたり、パソコンの送信ミスで期限に間に合いませんでした。(ギリギリなので、余裕がなく焦ってしまった、確認不足だったなど)
    発達心理のカウンセラーの方には脳が発達すれば改善されますと言われました。
    本当にそうなのでしょうか。
    確かに幼い部分がまだある(朝起きれない、一人暮らしでさみしい)と思います。
    しかし、友達関係など理論的に冷静に分析できます。
    脳の発達ではなく、認知の問題なのではないかと思います。
    認知の改善であれば、先生のアドバイスを頂きながら、明るい未来を手に入れることが出来るのではないかと思います。
    先生のご見解をいただけますでしょうか。
    よろしくお願いいたします。
    黒瀬