先延ばし(PCN症候群)のカウンセリング

自らを苦しめる先延ばしの振る舞い

 「絶対やると決めたのにどうしてもできない!」

 

 「みんな普通に先延ばしせずにできているけど、自分にはどうしてもできない!」

 

 「こればっかりはどうしても治らない!」

 

 「やらなきゃいけないことはわかっているのに、結局今日もできなかった」のスッキリしない日々。「やる気がないわけじゃないのに」と訴えたところで、まわりの人は「それは怠けているだけだ!」なんて根性論で片付けてしまうのかもしれません。それゆえご自身の先延ばし癖を誰にも相談できずに、ただただひとりで思い悩むしかないという八方塞がりな状況に置かれている方も多いのではないでしょうか?

 場合によっては、自らの先延ばしの振る舞いがまわりの人たちに「不誠実な人」といった印象を与えてしまい、それが深刻な生き辛さにつながってしまうこともあるでしょう。

気になるカウンセリング効果

  ひとつ私から確実に言えること。それは、先延ばし癖のお悩みは、ご本人の改善意欲さえあればカウンセリングを受けることで現実的に解消しうるものであるということ。「どうしてもこれだけは治らない」とか「これは一生治らないものなんだ」なんて思えてしまう先延ばし癖ですが、諦める必要はないと思います。仮に「治らない」のだとしたら、工夫を凝らして「補う」という方法だってあるのですから。先延ばし癖のお悩みを解消する方法は「先延ばし癖の改善」だけではないということを覚えておいてくださいね。

先延ばし癖改善のカウンセリングとはどのようなもの?

 先延ばし行動を解消させるために必要なことは、①自らの先延ばし行動が何であるのかを自らが深く理解すること。②その先延ばし行動を解消させるために自分がどうあるべきかを考えること。③「自分がどうあるべきか」の答えに従い行動することです。先延ばしのカウンセリングとは、これらのことについて話し合い、実践し、継続することです。

先延ばし(PCN症候群)の理解

 先延ばし(PCN症候群)とは学術的に、「何らかの達成すべき課題を遅らせること」、「意図した一連の行動の開始あるいは完了の遅延」などと定義されています。日常生活の中で起こりえる先延ばしにはさまざまなかたちが存在します。

 

 

〇やらなくてはいけないことはわかっているのに、どういうわけかそれに取りかかることができない 

 

〇簡単な課題にばかり取りかかり、多くの労力が必要な課題はいつも後回しにしてしまい、結果として先延ばしをしてしまう

 

〇計画性を持って行動することが難しく、期限までに課題を完了することができない

 

〇やりたいことがあるのに不安にかられ、始めることができない 

 

〇あとで大変なことになるとわかっていても、課題を放置してしまう

 

〇誰かに迷惑がかかるとわかっていても、課題を放置してしまう

 

〇課題に取りかかっても、気がつくと別のことをしている

 

〇気力がなく、課題に取りかかることができない

 

〇今やっていることをやめることができず、結果として課題を先延ばしにしてしまう

 

 

  先延ばしの振る舞い自体は同じように見えても、その中身は個別性を持ちます。そのため正しい方向性でカウンセリングを進めていくために、その先延ばしの振る舞いの意味をクライエント様とカウンセラーの両者が深く観察し、その特徴や原因などを正確に理解しておく必要があります。

 

 「不登校」や「会社を休みがち」などのお悩みはこちらのページもご覧ください。

怠惰(怠け癖)による回避行動に対するカウンセリング

不安による回避行動に対するカウンセリング

先延ばしの特徴による分類

 当カウンセリングサービスでは、まず先延ばしの特徴を以下の三つに分類します。

 

○意図的で自発的な先延ばし

 例えば「今日は疲れたから明日やろう」、あるいは「完璧にできなければやる意味がない」などの考えにより課題の開始や完了を遅らせます。この先延ばしには、「楽をしたい」や「失敗したくない」などの狙いが存在し、本人がそのとき「課題をやらない」と決断した結果として起こるものです。

 

○自らの意図に反した先延ばし

 例えば「課題を期日までに終わらせようと取り組んでいたにもかかわらず、課題の完了に失敗してしまった」などがこれに当たります。この先延ばしは、本人が「課題に取りかかろう」、あるいは「課題を完了させよう」と考えて、課題を「やらない」とは決断していないという点で、‘意図的で自発的な先延ばし’とは決定的に異なります。

 

○意識されていない先延ばし

 「気づいたら先延ばしをしていた」などがこれに当たります。本人は「課題をやらない」と決断したことに気づかず、いつの間にか課題とは別のことを始めてしまいます。

先延ばしの原因による分類

 先延ばしの原因とはつまり、「課題に取り組ませないようにしている何か」です。理論的には、この原因を改善したり補うことが、先延ばし行動の解消につながると考えます。

 

〇怠惰

 課題が「大変そう」「つまらなそう」「面倒くさそう」などと思えてなかなか行動に移すことができず、その結果課題の開始を遅らせます。この振る舞いは単純に「甘え」という言葉だけで説明できるものではありません。

 

怠惰(怠け癖)による‘課題への取りかかりの困難’についてのお悩み

〇不安 

 「上手くいかなかったらどうしよう」などといった不安な気持ちが、課題の開始を遅らせます。

  

〇迷い

 「どちらがいいか」、「何にしようか」といった迷いが、課題の開始を遅らせます。頭の中を整理し、迷いが解消されなければ行動に移すことができないため、いつまでも立ち止まってしまい、前に進むことができません。

   

〇不注意

 簡単に気をそらされてしまい、課題とは別のことに注意が向いてしまいます。それはつまり、その時点で知らぬ間に先延ばしをするという決断(別のことをやろうという決断)をしているということです。

 

〇技術不足

 課題を完了させるために必要な技術が不足しているため、課題を上手く完了させることができません。例えば、計画を立てて行動するという技術が不足している場合には、課題に対して何から手をつけていいのかわからず、何も進ませることができないということもあります。

 

〇多忙

 課題をやらなくてはいけないと考えていても、ほかの優先すべきことに追われ、なかなか思うように課題に手を付けることができずに、結果として課題を先延ばしにしてしまいます。

 

〇身体化

 課題に取りかかろうとすると、動悸がしたり、呼吸が乱れたり、腹痛に襲われたり、吐き気がしたりの症状によって、課題に手を付けることすら困難になることもあります。特定の課題に取りかかるときに、この症状が現れる傾向があります。

 

 先延ばしの特徴と原因を見極めたのち、さらに深くその先延ばしを観察していきます。次に行うべきことは、課題に取り組むことや課題を完了させることに対する価値観と状況認識のつき合わせによって生じる、その先延ばし行動の意味を理解することです。

 なお、不注意・技術不足・身体化が原因となる先延ばしの場合には、その先延ばしの特徴と原因を見極めた段階で具体的な先延ばしの解消法を検討していくこともあります。

その先延ばしをさらに深く観察する

 原因が明らかとなったのち、どのような考えや感情を持つことによって先延ばしをすることになったのかを観察し、理解していきます。この点についての理解を深めることは、その先延ばし行動の意味を正確に知ることにつながり、その先延ばしを解消させるのに役立ちます。

 

○依存

 課題に対する主体性の欠如により、他者に頼ることなく自ら課題に取り組むことができません。

 

○現実逃避

 「目の前のことを忘れ去りたい」「現実から目を背けたい」などといった非論理的な気持ちが、課題の開始を遅らせます。心が現実から逃げている状態なので感情をコントロールすることが難しく、課題を放置するなどして、目の前の現実に向き合うことができなくなります。

 

○可能性の保存

 課題に取り組まないことによって、「その課題を完了することができる」という自らの可能性を保存しようとします。つまり、課題に取り組んだ結果の失敗はやれるという可能性を消滅させるので、やらないことによって結果を出さずに、やれる可能性を保存するのです。

 

○意欲低下

 例えば、課題に取り組むことができない、あるいは課題を上手く完了させることができない自分に対してネガティブな感情を強く抱いてしまうことがあります。その結果として気分が落ち込み、課題に取り組む意欲が低下してしまいます。また、先延ばし行動とは全く関係のない、生活の中での悩み事などが意欲低下を招くこともあります。

 

意欲低下の改善と予防

 

○「あとまわしにする」という決断

 不適切な価値観や状況認識による計画や無計画によってこの決断をした時点で、それは先延ばしであると言えます。

 

 このほか、「今はまだやらないほうが良い」や「エネルギーを補給するために息抜きをする」といったような、適切な状況認識による計画性のある戦略的で問題視する必要のない先延ばしもあります。

手段としての先延ばしによる分類

 これは何かの目的を達成するための手段としての先延ばしです。これまで述べてきた先延ばしとは意味合いが異なります。

 

○反抗・攻撃行動としての先延ばし

 先延ばしをすることで他者を困らせます。この反抗・攻撃行動としての先延ばしには、「自己防衛」や「悪意」、「歪んだ自己主張」などが背景に存在することがあります。

そもそも問題視すべき先延ばしとは?

 先延ばしとは誰もが日常的に経験しうるものです。例えば、課題への取り組みに対する適切な価値観と状況認識ができていれば、先延ばしを計画的に行うことで良い結果を得られることもあります。先延ばしの振る舞い全てを問題視するべきではありません。問題視すべき先延ばしとは主として、課題に対するご自身の義務意識がどうであるかによるのだと思います。

 カウンセリングで扱うべき先延ばしとは、ご自身にとって少なくともその先延ばしの振る舞いが「良いものではない」と感じられ、「克服したい」あるいは、理想の自分を求めて「改善したい」と思えるようなものです。例えば、怠惰な気持ちによる習慣化した先延ばし(怠け癖による先延ばし)を改善して、精神的に健康な毎日を送りたいと願う方にとってはカウンセリングの経験は大いに役立つものとなるでしょう。

心理的な問題と技術的な問題

 先延ばしの特徴と原因を把握し、先延ばしの意味を正しく理解することができれば、現実的なカウンセリングの目標(先延ばし癖の改善)を設定することができ、その目標を達成させるための具体的な話し合いを開始することができます。

 先延ばしのカウンセリングは大きく分けて二つのアプローチがあります。心理的な問題に焦点を当てるアプローチと、技術的な問題に焦点を当てるアプローチです。

心理的な問題による先延ばし

 怠惰や不安などによる心理的な問題が先延ばしの原因となっている場合には、その心理的な問題を解決させることが優先されます。なぜなら、先延ばしを生み出す心理的な問題を解決させなければ、「課題に取りかかる」ということは不可能であると考えるからです。

怠惰による先延ばし癖を治す工夫

怠惰(怠け癖)に起因する先延ばしについて考える

技術的な問題による先延ばし

 技術的な問題が原因となる先延ばしの場合には、その不足している技術を習得する、あるいは補うことが先延ばしの改善につながると考えます。「不足している技術を補う」とは、その不足している技術を使わずに済む方法を検討するということも選択肢のひとつとなります。つまりそれは、先延ばしをしないで済む自分なりの課題に対する取り組み方を見つけ、それを習得するということです。

 これはADHD(注意欠如・多動性障害)、あるいはその傾向のある方だけに当てはまる話というわけではなく、一般的に先延ばしの振る舞いが、「面倒くさい」や「好きでない」ことに取り組むことの経験不足、つまり練習不足であるがゆえの技術不足であると捉えることもできるのです。

紙に書き出してみる

先延ばし癖の克服

 もし先延ばしが習慣化してしまっているのなら、古い習慣(先延ばし癖)を新しい習慣(先延ばしをしない習慣)へと置き換える必要があります。ここでの関心事はただひとつ、「先延ばしをせずに課題に取りかかる」という新しい習慣を身につけることです。習慣化されたら「先延ばしをせずに課題に取りかかる」ということに、もはや努力は必要なくなります。

 よく言われることではありますが、大切なことは小さな成功体験を積み重ねていくことです。成功は「やればできるじゃないか」といった、より良い自己評価を生み出し、それが先延ばし癖克服への大きなエネルギーとなります。そして、ひとつ成功させるたびに課題に取り組む際のストレスが小さくなっていくことが実感できるはずです。このような「前進している」という感覚は、先延ばし癖克服の取り組みに対する大きなモチベーションとなるのです。

好きでないことは好きでないままでいいです

 「面倒くさい」と感じることや、「楽しくない」と感じることを好きになろうとする必要はありません。好きでないことは好きでないままでいいのです。大切なことは「好きじゃないけどやる」ができるようになることです。「嫌々ながらもやっている」感覚に慣れることが最も大切です。

 好きでないことをやるのは誰にとっても楽しいものではありません。それでもそれをやれる人は多くいます。そういう人はそれをやることに慣れているのです。「楽しいものではないけど、やれないこともないよ」と言えるようになれば、怠け癖による先延ばし癖はほぼ改善されたと言えるでしょう。カウンセリングでは無理のない工夫を凝らした取り組みを一緒に考え、それを実践し、継続することで、先延ばし癖の改善を目指していきます。

ADHD(注意欠如・多動性障害)傾向のある方へ

 先延ばし癖を個人の行動特性として捉えることもできます。特性とは変化しにくいものですから、それ自体を個性と見なすこともできるわけです。

 ADHDの行動特性による先延ばしの根本は心理的な問題が原因ではなく、技術的な問題(つまり行動特性)が原因であることが多いです。この技術的な問題をカバーするには、具体的な対策(先延ばしをせずに済む方法)や工夫(行動特性=個性を生かすことなど)を検討すること、あるいは不足している技術を可能なレベルまで習得することが、先延ばし克服へ向けてのカウンセリングのテーマとなります。

 しかしこのような場合でも、実際のところは技術的な問題だけでなく、心理的な問題も抱えておられる方は多いです。自らの行動特性による先延ばしによって、いろいろな場面で心に傷を負ってしまうこともあるでしょう。あるいは不本意ながらも自らの技術不足によって課題に取り組むことを回避し続けるしかなく、いつしかその振る舞いが習慣化してしまったなどということもあるでしょう。

 先延ばしのカウンセリングでは、先延ばしのお悩みについて最初から心理的問題に固執したり、技術的問題に固執したりすることはありません。なぜならそれらはいつも互いに影響し合っているものだと考えるからです。セッションは、技術的側面と心理的側面の双方に関して柔軟に話し合いを進めていくのが常です。

先延ばしとADHD

心理的な問題以外の先延ばし(PCN症候群)のカウンセリング

潜在能力を開花させる方法を習得する

 私たちは成長する潜在能力を持って生まれてきています。この潜在能力を開花させる方法を習得した人は、言葉では言い尽くせないほど豊かで、感動に満ちた人生を体験することができます。先延ばしの克服とはまさにこの「成長する潜在能力を開花させる方法を習得する」ということなのだと思います。先延ばしの克服によって、今まで自分に自信が持てず、触れることができなかった世界を身近に感じることができるようになるのかもしれませんね。

 考えてみてください。もし自分に先延ばし癖がなかったとしたら・・・そうです。いろいろなことがしたくなると思います。いろいろなことができそうだと思えてきますよね。今までその先延ばし癖によって、生活の中で知らないうちに、いろいろな場面で制限がかけられていたのかもしれません。

 先延ばしの克服はご自身の可能性の幅を広げ、活動の場面を増やすことにつながるのだと思います。いろいろな場面で活動し、たくさんの経験を積むことで、ご自身の潜在能力を開花させ、存分に人生を楽しんでいただけることを願っております。

カウンセラーからお伝えしたいこと

  まずは「どうかひとりで悩まないように」とお伝えしたいです。カウンセラーと共にそのお悩みの解決方法を模索し、そこで見つけ出したお悩みに対する解決方法をクライエント様に習得していただくのがカウンセリングです。カウンセリングはカウンセラーと共にお悩みについて話し合い、その解決策を検討するといった側面だけでなく、学びの場(お悩みに対する解決方法の習得)としての側面も併せ持ちます。その学びはクライエント様のその後の人生をより豊かなものとするのに役立ちます。

 先延ばしのカウンセリングにおいては、まずクライエント様が明るい気持ちになっていただけたら良いと考えております。「なんだかワクワクしてきた」、「なんだか未来が明るいものに思えてきた」など、そんな気持ちになっていただけたら良いですね。明るい気持ちになっているときには、「何かを始めてみよう」という気持ちになりやすいものなのです。

  先延ばし克服への道を、明るく前向きな気持ちで進むことができたら素晴らしいですね。どうか自分を嫌いになるだなんてことはしませんように。どうか「この先もずっと苦しみ続けるんだ」なんて思いませんように。よろしければ私がより良い未来を作り出すためのお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談くださいね。

 

カウンセラープロフィール

身近な方の先延ばしに関するご相談

 ご本人の先延ばしのお悩みではない、身近な方の先延ばしについてのご相談もお受けいたします。先延ばしをしてしまう方に対する適切な「理解」と「態度」があれば、どなたでもその方をサポートすることは可能です。そして、先延ばしでお悩みの方にとっても身近に自分のことを理解してくれる人がいるだけで、それが大きな心の支えとなります。先延ばしでお悩みの方を、家族や友人、職場の仲間や上司など、身近な方たちがサポートし、ご本人が先延ばしのお悩みを解消し人生を力強く歩んでいけるようになれば、それはとても理想的です。

 先延ばしでお悩みの方への接し方やサポートの具体的な方法など、お話をよく聴かせていただいた上で検討し、ご提案いたします。

※精神科・心療内科へ通院されている方は、必ずカウンセリングを受けることに対して医師の承諾を得てからお申し込みをされますようお願いします

出張カウンセリング・ビデオ通話カウンセリングからお選びいただけます

月額制のメールとビデオ通話を活用したカウンセリングプランです。怠け癖の改善をお考えの方にご利用いただけます

「先延ばしを改善させるためのヒント」に関するブログです

おひとりで悩まず、皆さんで一緒に先延ばしの改善を目指しましょう!

 カウンセリングを受けることに対して抵抗感や不安をお持ちの方は、カウンセリングの申し込みをされる前に「オリエンテーションプラン」のご利用をご検討ください