心理療法について

ベースとして用いる心理療法

 当カウンセリングサービスは、主にREBT(rational emotive behavior therapy)という心理療法をベースとしてカウンセリングを行っております。REBTとは、アルバート・エリスによって、1955年頃から提唱され始めた心理療法です。REBTでは「人間の悩みは出来事や状況に由来するのではなく、そういった出来事や状況をどう受けとるかという、受け取り方に左右される」と考えます。適切に出来事や状況を受け取ることができれば悩みが軽減され、さらに問題解決に役立つ行動がとりやすくなるといった考え方に基づく心理療法です。指示的色彩が強く、即効性があり、自分自身の考え方を自問自答して修正していく方法であるがゆえ、自分で自分をカウンセリングすることができるといった特徴が挙げられます。また、治療のみならず、予防として活用可能な点もREBTの利点として挙げられます。

自分が自分のカウンセラーになる

 先述の通り、REBTの利点としてクライエント様がこの心理療法を習得してしまえば、その後はクライエント様ご自身でご自身の抱えるお悩みを解消することが可能となります。つまり自分が自分のカウンセラーになれるということです。REBTを用いるカウンセラーは状況により、クライエント様にその技法を伝授することもあります。REBTを用いるカウンセラーは「またお辛いことがありましたらいつでもご連絡ください」というリピート歓迎のカウンセリングは基本的に行いません。

 

 REBTはシンプルな理論であるがゆえ、比較的その学習は取り組みやすいと思います。とはいえ、シンプルなものほど奥が深かったりもします。REBTは日常生活のあらゆる場面で用いることが可能で、その技法をご自身で練習する機会はたくさんあります。一朝一夕にそれを習得することはできませんが、日々その技法を練習したり、考えたりすることによってご自身の「理想とする自分」に近づいていくのを実感できるはずです。

 

 カウンセリングで努力されたことは、その後の人生で必ず役に立ちます。「REBTを学んでおいて良かった」と思える場面が度々訪れることでしょう。

感情的な問題に有効な心理療法

 REBTは物事の受け取り方を修正することによって惑乱した感情を軽減し、非建設的な行動を建設的な行動に変容させる心理療法です。よって、感情的な問題に対処するにはとても有効ですが、ホルモンバランスの異常や発作、神経系の遺伝的問題による情緒障害や精神病などを治すことはできません。

 感情的な問題に対しては全般的に有効とされ、不安や怒り、特に不快障害(快適さに固執してしまうことなど)に対しては他に類を見ないほどに適した心理療法とされています。