先延ばしや回避行動の原因にもなりうる意欲低下。ここでは人間関係のトラブル等、意欲低下につながる明確なきっかけが存在すると自覚できている場合の意欲低下について述べていきたいと思います。
明確なきっかけがある意欲低下は多くの場合、その辛い状況を改善させる術が見つからない状態、つまり八方ふさがりに陥ってしまっているがゆえに起きている現象だったりします。このように考えると、その辛い状況に対する打開策を見つけ出すことが意欲低下の改善策になり得ると言えます。
意欲低下に陥ってしまっているときは、ご自身でその打開策を見つけ出すことには多くのエネルギーが必要とされるため、自己解決させることは難しいかもしれませんね。「とてもそんな気にはなれない」となっても無理はないと思います。
そのようなときにはもちろんカウンセリングが有効な手段となるわけですが、カウンセリング以外でも身近に信頼できるご家族やご友人がおられるのであれば、その方と一緒に打開策を見つけ出すことも有効な手段と言えます。自己解決できればそれに越したことはありませんが、無理にひとりで考えすぎるのも良くありません。しんどさが増幅されて意欲低下が進行してしまう可能性もあるからです。意欲低下の状態ではアイデアも浮かびづらいと思います。まずは誰かに助けを求めて協力してもらい、その経験を生かして徐々に自己解決能力を身に付けていければ良いと思います。
あとは、予防について。複数回その意欲低下を経験しているのであれば、そのときのことを振り返ってみることで、なんらかの前兆を自分なりに見つけ出すことができるかもしれません。例えば意欲低下のきっかけとなった出来事を反芻して寝つきが悪くなるだとか、なんだかイライラするだとか、なんだか口数が減ってくるだとか、食欲が落ちてくるだとか、そんな感じのことです。そんな前兆に気づくことができれば動けなくなるほどの意欲低下に陥る前になんらかの方策によって対処できる余地が生まれるかもしれません。
「前兆を知る」ために日記を書くことをお勧めします。日記を書くことで自分自身をより良く知ることができるようになるからです。日記を書くことが苦手でハードルが高いと感じる方は以下の3点だけ記録してみると良いです。
〇その日の気分(良い・普通・悪いだけでなく、一日の中で変動があればそれも記録する)
〇その日の活動量(仕事や学業、あるいは余暇などについて)
〇睡眠について(時間や質)
この記録づけによって自分の精神的健康状態に関する変化の傾向を知ることができることと、毎日の振り返りが行えるというメリットがあります。簡易版の日記といったところですね。
意欲低下については、自らの先延ばしや回避行動に対する自己嫌悪や罪悪感、あるいはその結果として抱く焦燥感などによって引き起こされていることも多いように感じます。
辛いときには、本当にしんどくなるまでひとりで堪えたりしないことです。誰かにその辛い出来事を聞いてもらうだけでも、その辛さは緩和されますよね。
八方ふさがりの状態に陥ってしまったら、無理をせずに誰かに話を聞いてもらうことが意欲低下の改善策となり得ます。そして、ご自身の心身の状態をモニタリングする習慣が意欲低下の予防になると考えます。ご参考にしてみてください。
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