先延ばし解消のための「〇〇時までにやる」の工夫

 「〇〇時にやる」と決めて課題に取りかかるのが苦手という方は、「〇〇時までにやる」と決めて課題に取りかかるようにすることで、取りかかりの成功率を高められることがあります。これもひとつの工夫です。

土壇場の状況を招く慣れ親しんだ先延ばし思考

 土壇場で課題を片付ける能力が高い人は、ギリギリな状況にならないと課題に取り組む気になれないということはよくあるかと思います。このときお持ちになっている考えはきっと「最悪〇〇時までに取りかかればなんとか間に合うだろう」といった感じのものなのではないでしょうか?つまりこれが、これまでずっと慣れ親しんできた先延ばし思考ですね。

 

 このような考え方に慣れ親しんでいるため、「〇〇時にやる」とバッチリ決められた時刻に課題に取り組むというやり方にはハードルを感じてしまうところもあるかと思います。

 

 一方で「〇〇時までにやる」の取り組み方だと、なんとなく強い抵抗感を抱かずに取り組めそうな気がしませんか?実際、ある程度スケジュール管理をして課題に取り組めている方の中で「私は課題に取り組むときには今までずっとこの考え方だった」とおっしゃる方は結構多かったりします。

 

 課題への取りかかりの成功率を上げるために、自分なりに工夫して、なるべく課題に取りかかりやすい思考を持つべきです。

 

 また、取りかかるべき最初のタスクは、「PCを立ち上げる」ですとか、「作業に必要な書類を机の上に用意する」などのような極めて簡単なものにしておくほうが良いです。「とりあえず~」のような感じで。この「とりあえず~」は肝のように思います。ガッツリと取り組むためのきっかけとなるタスクはハードルを低くしておくことがポイントとなる作戦です。

 

 まずは「取りかかることに慣れること」が重要です。「PC立ち上げても、そのあとなにもできなそうだから上手くいかなそう」と思えてしまうのであれば、そのあとのアクションも事前に考えておくと良いと思います。でもまずは、そのあとのことはセカンドステップとして捉えておきましょう。ここではきっかけを作ることが大切です。

取りかかりの日時は今までよりも早い時期に設定しましょう

 課題に取りかかる日時の設定は、今現在ご自身が考える「本当にギリギリ」であってはなりません。それでは今までの状況となにも変わりません。課題に取りかかる日時は、今までよりも早い時期に設定する必要があります。それはつまり「土壇場ではない、適切な取りかかりの時期を設定する」ということです。

 

 ここが難しいところなのでしょうね。今までよりも早い時期に設定された「〇〇時までに取りかかる」は、ご自身の感じている「ギリギリの時期」ではないからです。この点は気持ちの整理が必要でしょうね。今までより早い時期に設定された取りかかりの日時に対して、ご自身が「本当はそのときまでにやらなくてはならないものだったのだ」ということを知る必要があります。これを知るために、今までより早い時期にやることの利益や、今までと同じように土壇場でやることの不利益などについて考えることが役に立つのかもしれません。

 

 今まで土壇場の状況で抱いていた「問答無用で〇〇時までにやらなきゃヤバイ!」の考えが今までよりも早い時期に芽生えるようになれば、課題へ取りかかる際に「面倒くさい」や「イヤだぁ」などの取りかかりの行動を阻害する不必要な考えを持つことなく、「何も考えずに取りかかる」の姿勢が持ちやすくなると思います。

補足

 「〇〇時までに」ということは、その時刻よりも前に取りかかっても良いということです。つまり前倒しの思考に従って行動しても良いということです。その状況は気持ちのゆとりを生み出します。気持ちのゆとりは前倒し行動と相互作用します。

 

 この工夫はあくまで「嫌々ながらも取りかかる」に慣れることが目的です。「〇〇時にやる」が普通にできるようになればそれに越したことはないのですが、それは次のステップとして考えてもよいのではと思います。