· 

好きなことに熱中して怠け癖を解消する

 怠け癖を治すために一番必要なものは、「怠け癖を正すのだ」という本人の強い気持ちです。そしてこの気持ちを更に持続していく必要もあります。この気持ちが途中で弱くなってしまえば、せっかく動き始めたものも振り出しに戻ってしまいます。慣れ親しんだ自分の習慣(怠け癖)を新しい習慣(怠けることをしない習慣)に置き換えるということは、実際のところ簡単なことではないですよね。

 

 何が難しいかって、それはそもそも好きでないことに対して前向きな気持ちを持てるようにするにはどうしたら良いかということであり、更にその前向きな気持ちを持続していくにはどうしたら良いかということなのだと思います。

 

 理想的なのは、自然に前向きな気持ちが持てるようになり、更にそれを自然に持続していくこともできるようになることですよね。自然に、あるいは結果的にそのような状態になれたら良いですね。ちょっとした工夫をすればそれが可能になるのかもしれません。

 

 

 その工夫のひとつとして、自分の好きなことに熱中するという方法があります。その取り組みが長い期間持続できるようなものであれば、怠け癖の克服に役立つ可能性があります。自分の好きなことをするというに関しては、たいていの場合、怠け癖とは無縁なはずです。ひょっとしたら毎日飽きるまでそれを続けることができるのかもしれませんね。

 

 自分の好きなことを毎日長い期間続けていくためには、自分が好きではないことだってやらなくてはならない場面もあるでしょう。例えば絵を描くことが好きな人は絵の具を買うために興味のない仕事をして絵の具代を稼がなくてはいけなくなるかもしれません。しかし自分の好きではない仕事だって、自分の好きなことのためなら苦痛を感じながらもやれてしまうことだってあったりしますよね。

 

 そんなふうに自分の好きなことを続けていくことによって、自然と怠け癖から離れていくこともあったりします。少なくとも何もやらないよりは何かをやったほうが良いのでしょうね。なぜなら、何かをやればそこで必ず何らかの経験を得ることができるわけで、そこから何かを吸収することができるからです。

 

 自分の好きなことをやっているからといって、自分がいつも良い気分でいられるというわけでもありません。例えばギターが好きな人は、上手に自分の思い描く演奏ができずに連日苦悩することになるかもしれません。しかしそれは自分の大好きなギターを上手く弾けるようになるために、避けては通れない必要な経験です。好きなことをやる中にも苦痛を感じる場面はあるものです。その苦痛があっても好きなことを継続していくのであれば、そこから何か大きなものを得ることができるのではないでしょうか。

 

 

 例として芸術活動を挙げましたが、芸術に触れるということは本当に良いことだと個人的には思います。創造すること、鑑賞すること、どちらも良いです。芸術に触れることで人はいろいろなことを考え、いろいろなことを感じます。特に創造することについてはとても多くのエネルギーを必要とするため、自然と活動的になれたりしますよね。

 

 このような感じで、ちょっとした工夫で自然に怠け癖を解消することができる場合もあります。よくよく考えてみるとこのような工夫って、工夫でもなんでもなく、むしろ自然なことなのかもしれません。「怠け癖を正すという気持ちを持たなければ!」なんて考えるほうが不自然なようにも思えてきてしまいます。